いや、なにも、みんな痩せましょう、という訳ではなく。筋トレ習慣とか健康習慣でもよかったと思うのですが、インスタグラムでそう始めてしまったので、コラムでも踏襲して掲載します。
それにしても、いろんな相談で当院を訪れてくださる患者さんで、体調がよくなってくると「痩せない」というお悩みを口にされる方は多いです。で、「運動してください」とお話するんですが、実際始められる方は少数。そこで、「わざわざ運動しなくてもいい、日常生活をちょっと変えることで、筋肉の質を上げていこう、代謝を上げていこう」というのが今回の趣旨になります。インスタグラムでは一部図も使って詳しく説明していますので、興味を持っていただいた方はそちらもご覧になってくださいね。
では、習慣化したいことのリストから。
1.猫背にならない
2.ごろ寝しない
3.いつでも階段
4.食事はよく噛んで
5.一日プラス1000歩
6.歯磨きしながらかかと上げ運動
では、一つずつご説明していきますね。
1.猫背にならない
普段PCやスマホを使う時間が長いとどうしても前屈みの姿勢でいることが多くなり、お腹の筋肉が縮こまった状態で固定し、猫背を助長しがちです。これが引き起こす問題には、①内臓が圧迫され消化機能が低下する、②背中の筋力が低下する、の2点があり、いずれも代謝を悪くして太りやすさにつながります。
猫背を治すというとお腹に意識が行きがちですが、大切なのはお腹をグッと引き伸ばすことです。背筋を伸ばすと気持ちが前向きになりますし、若々しくも見えます。一日何度でも気が付いた時に、大きく息を吸いながらお腹を伸ばすようにしてみましょう。
2.ごろ寝しない
3.いつでも階段
これらは本質的には同じ話です。
運動をしましょうと言われてもなかなか始められない場合、日常生活の中でできるだけ代謝をあげることを考えます。人が生活しているだけで使うエネルギー代謝量は年齢や性別で大体決まりますが、ごろ寝しないで座る姿勢をとることで1割アップ、座らずに立つ姿勢をとることで2割アップすると言われています。エレベーターを使わずに階段を使えば、代謝が上がることは言うに及ばず。運動できないと思い込む前に、日常生活での活動度を上げていきましょう。
4.食事はよく噛んで
これもよく言われることですね。ダイエットをすると食事に物足りなさを感じるのは仕方のないことですが、一口一口を顎が痛くなるほど噛み締めることで、満足度は確実に上がります。一般に一口20回とか30回とは言いますが、私は最近50回くらい噛むようにしています。すると本当に顎が疲れて、あまりたくさん食べたいと思わなくなり、無理に全部食べきるということがなくなりました(食べられない分は夫に美味しく食べてもらいます。夫が太るかどうかは自己責任)。
ただ、私が噛むのはダイエットというより胃の調子を整えるためです。胃の調子が悪いとお粥などを柔らかいものを食べますが、噛むことは咀嚼で食べ物を小さくする他に、唾液をよく出して消化を助けることにつながるので、お粥よりも効果が高いのです。胃もたれしやすい方、下痢をしやすい方も是非試してみてください。
5.一日プラス1000歩
厚生労働省のデータによると、日本人は1日平均で、男性8,202歩、女性7,282歩歩いているそうです。が、富山県の20歳以上の1日の歩数の平均値は、男性6,154歩、女性5,312歩ととっても少ない!。確かに車社会の富山では1km先は車でしか行かない、駐車場もできるだけ入り口の近くを選ぶ、って感じですよね。でも、歩くことは単純に肥満解消につながるだけでなく、セロトニンの分泌を促すことでリラックス効果や睡眠の質向上効果もあると言われており、夜中に目が覚めてしまう方にもぜひ取り入れていただきたいもの。
富山県の女性ならあと3,000歩くらい多く歩きたいところですが、3,000歩は大体30分のウォーキングにあたるため、いきなりはなかなかのハードルがあります。まずはスマホなどで自分の歩数がどのくらいか把握することから始めてください。そして、近くのスーパーへは歩いて行くとか、昼ごはんの後に10散歩をするとか、一日プラス1,000歩から増やしていきましょう。
6.歯磨きしながらかかと上げ運動
筋肉をつけることは代謝の良い体を作るうえで欠かせませんが、例えば「スクワットを朝晩2セット」などと言われても、なかなか実行できるものではありません。そこで私は歯磨きのタイミングで筋トレすることをお勧めしています。一番やりやすいのはかかと上げ運動ですね。かかとを上げ下げするだけのことですが、お腹をしっかり伸ばし肛門を引き締めて行うことで全身の筋トレになります。簡単なことのようですが、これを3分続けるのは案外難しいんですよ。はじめは20回くらいから始めて徐々に数を増やしていってください。歯磨きのとき忘れてしまいそうな方は、歯磨き粉に「かかと上げ!」と書いておきましょう。