今回は漢方から少し離れますが、大事なので巻き爪のお話をします。
巻き爪とは左下の図にあるように足の親指の爪が内側に食い込んできて、痛みを引き起こした状態です。ひどく食い込むと化膿して赤く腫れ、歩くのも困難になりますので、場合によっては食い込んだ部分を切除する手術を行うこともあります。
巻き爪を漢方で治すことはできませんが、いくつか予防法がありますのでご紹介しますね。
まず、なぜ爪が巻いてくるのかご理解いただくため、ご自身の手指の爪を見てみてください。親指から小指まで見てみると、親指の爪が一番平で、小指の爪が一番湾曲しているのが分かりますね。爪は指のはら側からの圧力をしっかり受け止めると平になる性質があるため、よく使う指ほど爪は平になります。
今度は足の指を見てみましょう。手の指とは反対に親指の爪ほど湾曲している方はいらっしゃいませんか。もしそうならあなたは歩くときにしっかり親指を使えていないかもしれません。極端に言えば、ペンギンのように足うらをペタペタと着いて、親指でしっかり踏み切らないで歩いていると巻き爪になりやすくなります。かかとから着地し、爪先を正面に向けて真っすぐ足を出し、足裏全体に体重を乗せて、最後は親指で蹴るようなイメージを持って歩くと巻き爪が予防できます。気をつけてみてくださいね。
あと、そもそもあまり歩かない方も巻き爪になりやすいです。あなたはどうでしょうか?
歩き方を変える以外の予防法としては、爪の切り方があります。爪を切る時に指の形に沿って丸く切る方が多いと思いますが、巻き爪予防の観点からはお勧めできない切り方です。正しくは右下の図にあるように爪の両端は角を残すように四角く切ります。この際爪の白いところが残っても気にしてはいけません。爪の長さは指の長さと揃え、あまり短くしすぎないようにしましょう。