ゆっくりくつろいだ夕食の時間、少しお酒を嗜むのは大人の楽しみですね。
アルコールは気分を緩めてくれるので、睡眠にも良さそうな感じがしますが、実は3つの点で逆効果になります。
①うたた寝の原因になる
寝付きが悪い方に詳しく聞くと、夕食後に1時間ほどうたた寝をしている場合が結構あります。お腹いっぱい食べてお酒を飲んで、うたた寝するのは気持ちのいいものですよね。でも、これがいざベッドに入った後の寝付きを悪くさせる原因になるのです。
人は14時間前後連続して起きていると「睡眠圧」が高まり、自然に眠くなると言われています。つまり、朝6時に起きたのであれば、ちょうど夕食後の夜8時くらいに眠くなるのは当然なんですね。でも、ここで本当に眠ってしまうとせっかく貯まっていた「睡眠圧」が下がってしまい、その日のうちにもう一度寝付くのが難しくなってしまいます。夕食後にくる眠気に負けないよう、晩酌は控えるのが得策ですよ。
ちなみにこの「睡眠圧」はお昼寝でも下がってしまいます。どうしても疲れて休みたい時は予めコーヒーなどカフェインを摂取のうえ、15分以内にするのがお勧めです。
②睡眠を浅くする
では、夕食後ではなく、寝る直前にアルコールを摂ればいいのでは?はい、それは一理あります。アルコールは寝付きをよくしてくれるので、寝る前にちょっとだけウイスキーを舐めてリラックスして寝る、というのはアリです。養命酒を飲む方もいらっしゃいますね。
でも、アルコールの量が増えてくると代謝産物であるアセトアルデヒドが眠りを浅くし、途中で目が覚める原因なってきます。また、アルコールは利尿作用もあるためトイレのためにも起こされてしまいます。喉も渇きますしね。夜中の2時や3時に目が覚めてしまうという方はぜひ注意してみてください。
③睡眠時無呼吸の原因になる
お酒を飲むといびきをかく方、いらっしゃいますよね。アルコールは筋肉を弛緩させる効果がありますが、喉の筋肉が緩むことによっていびきもかきやすくなります。いびきだけなら同居人に迷惑をかける程度ですが、なかには舌が喉の奥に落ち込んで息が止まってしまう場合があり、その頻度が高まると、睡眠時無呼吸症候群という立派な病気になります。
夜中に息が止まっても、もちろん苦しくなって無意識のうちに呼吸を始める訳ですが、そんな窒息のような苦しい状態が夜中に繰り返されるのでは、ゆっくり深い眠りは望めません。ふだんからいびきを指摘されている方、寝てる間に息が止まっていたと言われたことがある方は、寝る前のアルコールは控えてください。また、人から言われたことはなくても、しっかり睡眠時間をとっているのにぐっすり寝た感じがしない方は一度アルコールをやめてみることをお勧めします。