漢方豆知識
2020.05.17

理想の朝食(後編)

本編では「炭水化物+タンパク質+食物繊維のバランス」という西洋医学的なお話をしましたが、漢方的な面からも考えたいと思います。

漢方ではよく食養生と言われますが、大切なことはやはりバランスと食べすぎないことです。薬膳では五味や五性のバランスということが言われますが、基本的には季節のものを腹八分で食べていれば大きな間違いはないと思っています(ただ現代はそれが難しい…)。

個人的には、朝食の大事なポイントは胃を重くしないことです。「胃もたれって何ですか?」という健啖家の方はいいと思うのですが、私の場合は、食べ過ぎや食事の偏りで胃の調子だけでなく体調そのものが左右される傾向があります。そして、食べ物と自分の体調を見極めながら至った結論は、小麦粉を控えること。

元々インドカレーはナン派です。今でもナンは大好きなのですが、3年くらい前からナンを食べた後にひどく胃もたれするようになってしまいました。そしてそんな日の翌日は指がむくんだり、鼻水が出たりと何とも不快な感じになるのです。ひどい時は漢方薬を飲んで対処していましたが、原因がナンと分かってからは、カレーはライスで頂くようにして不調から脱却しました。

それ以来、小麦粉を食べるタイミングには気を遣い、また体調が悪い時には避けるようにしています。はやりのグルテンフリーを推奨する訳ではありませんが、漢方的にも小麦粉が合わない体質というのは確かにあり、これについては別のコラムで改めて書きたいと思います。

自分の好きな食べ物と、自分の体にあった食べ物というのは残念ながら一致しないことがあります。体調が悪いと寝不足かな、食べ過ぎかなと自己分析しますが、一歩進んで具体的に食べた物との関連も考えてみてください。きっと、そこからあなたの理想の朝食が見えてきます。