自律神経失調症
2024.02.23

ご自愛ぶそく ー後編ー

今回はご自愛の具体的な方法について、いっしょに考えていきます。

ご自愛は疲れているときに急にはできないので、元気なときに準備をしておくことが大切です。

まずはご自愛のタネを拾って書き上げてみることから。私が思うにご自愛には3つカテゴリーがあります。順にご説明しますので、ご自分のご自愛のリストを作るヒントにしてください。

 

①その場でパッと幸せになれるご自愛

人間関係のストレスを感じたり生理前で気分が落ちたりしているとき、自分がどうしたら元気になれるのか。考えてリストにしておきます。実際に気分が落ちているとそんなことさえ考えられなくなりますから、普段からスマホのメモなどに書き出して保存しておきましょう。リストの中身は銘柄やタイトルまでより具体的により数を多くしておくのがおすすめです。そうすれば、いざというとき何も考えずにその時の気分に合うものを選択できます。

例えば、ハーブティーを入れる、好きなお香をたく、ストレッチをする、ヨガをする、瞑想をする、絵をかく、音楽を聞く、友達に電話する、本や漫画を読む、映画をみる、テレビをみる、スポーツ観戦する、菓子を食べる、ゴロゴロする、ペットと遊ぶ、散歩をする、ゲームをする、楽器を弾く、推し活をする、部屋の空気を入れ替える、深呼吸をする、掃除をする、カフェにいく、美容院にいく、本屋にいく、コンビニの新商品をチェックする、文房具をみる、マッサージにいく、一人カラオケをする、日帰り湯にいく、料理をする、思い出の写真をみる、花を買う、なんでも構いません。リストを作る、というのもご自愛のうちかもしれません。

 

②ふつうの毎日を幸せにするご自愛

毎日何気なくやっていて、ともすれば面倒なことでも、意識を変えるとご自愛になります。

例えば、疲れているとお風呂に入るのも面倒になりますが、お気に入りの入浴剤を使うことでご自愛時間に変えることができます。香りのいいボディークリームに変える、スキンケアをこまめにする、爪をきれいにする、気に入った食器を使う、気に入った洋服だけ着る。

断捨離もご自愛に通じる道ですね。こんまり先生の『人生がときめく片づけの魔法』という本がありますが、身の回りからときめかないアイテムを除いていくのはまさにご自愛の第一歩でしょう。この本オススメです。

 

③将来の自分が幸せになるご自愛

10年後20年後にどんな自分でいたいか、これを考えておくとさらに深いご自愛の世界に入っていくことができます。私の場合で言えば、あと20年は現役で診療したい、できるだけ漢方の腕をあげ続けていきたい、それが一番です。そうすると健康でいることが最低条件になりますから、食事、運動、睡眠はとても大切なことになります。

私も基本的にはソファに寝っ転がっている方が楽ですけれども、「こうやって運動することで健康が保たれて診療が続けられるんだわ」と思えば、運動したい気持ちになってきますし、運動ができていることに感謝したい、幸せな気持ちになってきます。また、運動は始める時がちょっと面倒ですが、始めてしまえばどんどん気持ちが乗ってくるものです。例えばラジオ体操くらいでもちょっと面倒に思えますが、体を動かしてると体が喜んでいる感じがして、終わる頃には気分がさっぱりとしています。

あなたは10年後にどんなふうになっていたいでしょうか。例えば、いろんなところに旅行に行っていたいと思えば、語学の勉強も、足を鍛えておくこともご自愛ですし、早めにリタイアしてのんびりしていたいのなら、節約して貯金することもご自愛。

これをすることで将来の自分が幸せになると思えば、ちょっと面倒なことでも幸せな気持ちでやっていくことができますよね。

 

医者が患者さんに「お大事に」と言うのは慣習のようなものですが、実際に患者さんを見ていて「自分を大切にしてね」という気持ちになることがよくあります。今回のコラムはその私の気持ちを吐き出す回になってしまったかもしれません。皆さま本当にどうぞご自愛くださいね。